ストーリー(17) S residence
インテリアデザイナーとの住まい創り
ストーリー(17) S residence
『伝統と革新』
インテリア産業教会の審査員特別賞を頂いた物件のご紹介です。
少し前ですが、こんなエントリーをしまして
そして、賞を頂きました。お客様も大変喜んでくださいました。
この賞を頂いたのは、伝統文化を生活しながら継承していける楽しみ方を提案したところが良かったのではと私なりに解釈しています。
また、伝統を取り入れると和風空間だったり、情緒はあるけれど古いイメージになりがちですが
革新的なインテリアの中に伝統工芸や季節を感じるデコレーションする場所を設けたり、ファブリックや壁の仕上げ材などにも伝統を感じるものを
選びつつモダンに仕上げたところを評価していただいたのではと思います。
どのような経緯だったかをお話しします。
当初ご主人から連絡を頂きました。
ホームページをみて電話してくださったそう。
マンションを購入するかどうか、迷っている。
大きさと間取りが自分たちの生活に合っているか?
リフォームして合わせることができるのか?
そこからご相談を頂きました。間取りのプランをざっとお話しし、ご判断され、その後マンションを購入され、引き渡し後にリフォームをさせていただき出来上がった写真がこちら。
3案のデザインプランをご提示させていただいた中の決定プランを具現化しました。
ヒアリング時に奥様より、現在の問題点を伺う中で、気に入って購入した子どもたちの節句の飾り場所が無いのがもったいない。
というお話がありました。そこで、拝見させていただきましたところ確かに折角なら飾る場所があると良い!
しかし、和室は使わないので必要ないというご要望もあり、普段よく使用するお部屋でのご提案をさせていただきました。
お子さんも自分のための飾りを一番目立つ場所で見る事が出来るので、愛着もわくでしょうし、日本の文化が自然に身につき
楽しんでいただけると思います。
こちらはお嬢さんのひな人形。
このサイズならではのデザインではありますが、ご自分達のラフスタイルに合わせたものをチョイスしていけば
インテリアに素敵に取り入れていくことが可能だと思います。
普段使わないお部屋に、その期間だけ置いているような飾り方の方がもったいないと思うのです。
もう一つ、収納については、要所要所での必要収納が欲しいというご要望に対して、使いやすい場所に使いやすい収納を設けています。
右のガラス扉の吊り収納と下部の収納はL字型に造作で創っています。それによってLDのレイアウトがきれいにまとまりました
ソファーの背面の壁には、ARTを飾れるように梁の出っ張りを利用してピクチャーレールを取り付けています。
季節に合わせて変えることが出来るようになっています。
こちらは、入口から窓側を見た写真です。クッションに日本を感じるファブリックを使っており、そのカラーに合わせてカーテンを取り付けています。
お茶の黄緑、高貴な青紫が差し色になっています。
こちらは寝室。
折り紙のようにも感じられるファブリックでベッドスローを創ったり、デコレーションのフラワーベースもそんなデザインの物を置いています。
一番苦労したところは、大きな梁をどう目立たなくするか。梁を天井のデザインの一部にしています。
こちらは、ウォークインクローゼット。
和室だったお部屋をウォークインクローゼットに改装しています。
リビング入口同様、ファブリックを挟み込んだアクリルの扉。お子さんのためにもガラスよりアクリルにしています。
洗面所からすぐにウォークインに入れるような動線を重視し、子どもさん用と大人用と区分けしています。
お手持ちのお洋服や収納を調査させていただき、極力それに合わせた計画をさせていただきました。
こちらは、提案時の資料です。
インテリアボード
イメージパース
こちらは寝室のインテリアボード
決定に至らなかった別のインテリアボード
それぞれインテリアコンセプトが違います。
どれが正解とか不正解では無いのですが、最終決定下さったインテリアが、お客様にとって一番しっくりくる物だったと思います。
こちらは、マンション購入時に現場確認に行った際の写真。
キッチンはカップボードなどはなく、収納も少ない空間でした。
こちらは、和室かありましたのでその時の写真。
リフォーム後は、TVの壁になって、ウォークインクローゼットになっています。
こちらは、同じ間取りのモデルルームの写真。
素敵ですが、テレビとソファーの位置関係、窓に背を向ける配置、隣接する和室とのイメージの落差、
収納スペースの少なさなどが、実際の生活には合わないということでした。
ご覧頂いたように、モデルルームは仮想ファミリー像を、描いて演出しますが、見た目を重視して作りますが、一般の方でさえ瞬時に使い勝手の悪さを見つけてしまうくらいのところもあります。
そこまでは無くても、ご自分たちには合わないというケースはあります。
帯に短し襷に長しといったところもあるかと思います。
同じ空間でも、インテリアデザイナーとの住まい創りで、解決して頂きたいと思います。
こちらは、夜の大人の時間をイメージして撮影した写真。
ちなみにbeforeと比べて頂くと、分かりますが、ダイニングテーブルとキッチンの間に実は収納を設けています。窓側にスライド引き出しを引くと収納が現れます。
カップボードもイメージに合わせてつくっています。吊収納の扉は引き違いになっていますので、動作も最小限になり使いやすくなってます。
日本の伝統文化を普段の生活におしゃれに取り入れて楽しんで頂く一例でした。