ストーリー(23) I residence
インテリアデザイナーとの住まい創り
ストーリー第23弾
以前、タワーマンションのオーダメード(設計変更)をデペロッパーさんや、インテリア販売会社さんから依頼を受け、3年位やらせて頂いておりました。
現在は、エンドユーザーから直接のご依頼でオーダーメード(設計変更)をお受けしてしております。(デペロッパーさんのご理解と連携があってですが)
もしくは、お引き渡し後からお受けしております。
インテリアデザイナーがどのような“立ち位置”でお受けするかによって、色んな違いが出ます。☺️
✴︎オーダーメード(設計変更)
マンションの新築前もしくは新築中にマンションを購入されるお客様のご要望に合わせて、もしくは提案をし、間取りや仕上げやデザインの変更をゼネコンに伝え、オリジナルのインテリアデザインに仕上げていく。
さて、このI residenceは、その3年間の最後にお受けした物件です。2011年の6月にインテリアの設置をして撮影した物件です。
実務をしていた時から、もう10年経っています。
3LDKの物件を2LDKに変更して、天井を梁やダクトを避け、折り上げに変更しました。
それに伴い照明の位置や器具を変更して、シャンデリアが取り付けられるように下地の補強をしています。
壁のクロスもアクセントで変えていたり、キッチン上部にグラスホルダーをつけていたり、お手持ちのワインクーラーがスッキリ納まるようにカップボードを造作で作りつけたり、飾り棚をつけたり、テレビボードを作りつけています。
玄関ホールには、圧迫感が出ないようにガラスブロックの壁にして、キッチンからの灯りが溢れるようにしています。
LDKは少し異形になっているのを活かしています。
キッチンからのリビングダイニングが見渡せる開放感のある空間になっています。
こちらはキッチン。対面キッチンの奥行きを利用したカウンターを作っています。
こちらは飾り棚やテレビボード。
梁を凹凸を利用した黒枠(ゲート)デザインで空間を締めています。
壁紙はベルギー製の🇧🇪のクロスをアクセントに選んでいます。
テレビボードの間接照明が、床に映り込んでいます。当初艶のないフローリングでしたが、写真撮影前にお客様が高級床Waxをかけていらして・・・
非日常的な雰囲気を醸し出しています。
こちらは玄関ホール。
建具はテンパードアと言って枠がないガラスドア。
ガラスも普通のガラスではなく、ファブリックガラスと言ってガラスの中にファブリックが挟み込まれている強化ガラス。
右側にガラスブロックの壁の向こう側がキッチンになってます。
マンションの従来の玄関ホールのイメージを払拭した空間にしています。
こちらは、トイレです。
初めからのプランをほとんど変更していませんが、壁のクロスを変更しています。写真の正面の壁のみアクセントとして変更しています。
廊下の突き当たりにミラーを貼っています。
モダンラグジュアリーなインテリアにしていますので、額もゴージャスな額になっています。
こちらは、ダイニングとキッチンの連続したカップボード。ブラックガラスの中にダウンライトがついていて、ムーディーな雰囲気を演出できるようになっています。照明を消すと内部はほとんど見えません。
撮影時に、異形なダイニングテーブルの面白さが伝わるような写真を撮ってもらいました。
建築的な引きの強いアングルだと、あまり分からないですので。
造作家具について、
左からパソコンデスク、ワインクーラー、カップボードとなっています。
左の壁からキッチンの壁までスッキリ納まっています。造作家具ならではです。
ps テンカセエアコンの位置なども、苦労したのを思い出します。
土日にお客様と打ち合わせをして、定例会議の水曜にゼネコンの担当者と打ち合わせをして、プランを伝えて見積もり依頼をし、お客様に2〜3週間後に図面と見積もりを提示して、決定すると実施設計のためにゼネコン担当者と綿密な打ち合わせをする。
と言った連携を繰り返して進めていきました。
このスケジュールが、プランのボリュームからキツ過ぎて真っ青な顔して周りの方にすごく心配かけたのを思い出します。
昔『24時間戦えますか⁉️』(リゲインだったか?)という、今、働き方改革の時代では死語となっている言葉が流行りましたが、そんなスケジュールで3年間過ごしてました。
実質2〜3日でできることは24時間✖️3だとしても限られます。
そんな中ゼネコンの担当者と、強い絆ができるほどエネルギーを注いだ思い入れのある物件、お客様とも、とても親しくなれた物件です。
インテリアデザイナーとの住まい創りには、デザイナーの立ち位置による違いがあります。
どこと契約して、どこからフィーを頂くかによってデザイナーの動きも変わります。
そして不動産業界と建築業界の住宅市場の中のインテリアの業界の立ち位置は、販売促進の小道具的な考え方が、まだまだ抜けきれず、インテリアコーディネーターは物やスタイルを提供している職種から抜け出せずにいるように思います。
人が心豊かに幸福な住生活を実現する為にインテリアデザイナーはお客様のパートナーであるべきだと思います。
こんな思いが通じる不動産・住宅供給会社とインテリアデザイナーがこれからのafterコロナ.withコロナの時代のニュー・ノーマルを牽引していけたらと思います。
もう一つ付け加えるなら、建築家がインテリアをユーザーが後から付け加える物として優先順位が低い、もしくは苦手分野とするならば、インテリアデザイナーとの協業でニュー・ノーマルを創っていただけたらと思います。
3年間で学んだ事を教訓に、これからもインテリアデザイナーとしてニュー・ノーマルを目指したいと思います🤗